冬の朝、コンビニの白い息
冬の朝、まだ暗いうちに家を出る。
駅まで歩いて、ちょうど中間あたりに、24時間営業のコンビニがある。
ドアが開くと、店内の暖かい空気が顔に当たる。湯気のような白さで、自分の輪郭がぼやけて見える。
ホットコーヒーを買って、外に出る。両手で紙カップを包む。じんわりと指先に伝わる温度が、まだ起ききっていない体を、少しずつ起こしていく。
息は、白い。
東京の朝は、思っているより寒い。とくに2月の朝は、コートの襟を立てても、首元から冷気が入ってくる。
それでも、コンビニの前のこの数十秒が、私は好きだ。
街はまだ眠っている。信号機の赤だけが、いつもと同じ強さで光っている。
カップの温度を確かめながら、駅に向かって歩く。
東京で暮らすということは、こういう小さな時間の積み重ねなのかもしれない。